あの駄菓子、今も買える? — 駄菓子の百科事典

食玩・おまけ駄菓子の世界|シールに夢中になった日々

中身よりおまけが主役だったあの頃。シールやカード付きの駄菓子・食玩を振り返り、集める・交換する・並べて眺める、コレクションの記憶をたどる読みものです。

駄菓子屋の棚の前で、何を買うか迷ったあの時間。決め手はお菓子の味だったでしょうか。それとも――袋の中に何が入っているか分からない、あの「おまけ」だったでしょうか。中身よりおまけが主役。そんな食玩・おまけ付き駄菓子は、子ども時代の宝物でした。今日は、シールやカードに夢中になった日々を、いっしょに振り返ってみたいと思います。

シール一枚に一喜一憂した、あの開封の瞬間

食玩のおまけといえば、まず思い浮かぶのがシールではないでしょうか。なかでもビックリマンチョコは、おまけシールに熱中する文化を語るうえで欠かせない一品。1980年代に広く親しまれたとされ、チョコそのものより、封を切ってシールを確かめる瞬間にこそ胸が高鳴った――そんな記憶を持つ方も多いはずです。レアなシールが出たときの、あの飛び上がるような喜び。なかなか出ないときの、もう一個買ってしまう気持ち。今思えば、あの小さな一枚に振り回されていたのですね。

シールを軸にした食玩は、ビックリマン以外にもいろいろありました。ガムラツイストラーメンばあは、いずれも1980年代後半ごろに登場したとされる、おまけシールつきの駄菓子。独特の世界観を持つキャラクターたちが、子どもたちの心をつかみました。かんばんシールチョコのように、シールそのものを楽しむ系譜は、形を変えながら長く続いてきたものといえそうです。

カード付き食玩――並べて眺める幸せ

シールと並んで子どもたちを夢中にさせたのが、カード付きのお菓子でした。その代表格がプロ野球チップス。スナックを食べながら、好きな選手のカードを集める――そんな楽しみ方が、長く親しまれてきました。お目当ての選手が当たったときの嬉しさ、同じ選手がダブってしまったときの「友だちのアレと交換しようかな」という算段。カードは、お菓子を超えたコミュニケーションの道具でもあったのです。

テレビヒーローやアニメと結びついたカード・シール食玩も、世代ごとに数多く生まれました。古いところでは仮面ライダースナックマジンガーZスナック。やや時代が下って森永チョコスナック 機動戦士ガンダムドラゴンボールスナック神羅万象チョコなど、その時々の人気作品とともに、おまけ食玩は移り変わってきました。憧れのキャラクターが手のひらに収まる感覚――それは、ただ集める以上の意味を持っていたように思います。

組み立てる楽しみ、当たりを引く高揚

おまけの楽しみは、集めて眺めるだけにとどまりませんでした。ビッグワンガムエフワンガムのように、組み立て式の精巧なおまけが入った食玩もありました。ガムはおまけ、というのは大げさかもしれませんが、それでも箱を開けてパーツを組み上げていく時間は、何ものにも代えがたいものでした。完成させて机に飾り、しばらく眺めては満足する。そんな小さな達成感の積み重ねだったように思います。

ストーリー性を帯びたおまけも、子ども心を強くとらえました。ネクロスの要塞のような、付属の小冊子や設定で世界観を楽しめる食玩は、集めることがそのまま物語をたどる体験になったと語られることがあります。一枚一枚、一個一個に意味があり、揃えていくほどに世界が広がっていく。あの没入感は、今のコレクション趣味にも通じるものかもしれません。

世代を超えて続く、おまけの系譜

こうしたおまけ文化は、決して過去だけのものではありません。ドラゴンボール超戦士シールウエハースポケモンウエハースチョコのように、シール付きウエハースの流れは今へと受け継がれているようです。ドラえもん 四次元ポケットチョコなど、親しみのあるキャラクターとおまけを結びつけた食玩も見かけます。一方で、当時夢中になった食玩の多くは、すでに販売を終えてしまったものも少なくありません。だからこそ、引き出しの奥から出てきた一枚のシールが、あの日の駄菓子屋の匂いまで連れてきてくれるのでしょう。

中身が同じでも、おまけ次第で世界が変わる。あの頃の私たちは、たった数十円の袋の中に、無限の可能性を見ていました。集めて、交換して、並べて眺めた日々。シールに夢中になった記憶は、今も色あせずに胸の引き出しにしまわれているはずです。あなたのいちばんの宝物は、どんなおまけだったでしょうか。

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